RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

そこのみにて光輝く@109シネマズMM横浜 2014年4月19日(土)

封切り初日。
席数170の【シアター5】は五割程度の入り。


あの〔海炭市叙景〕と同じ原作者。
ロケ地も同じ【函館】。
更には
地域の底辺に生きる人々を描いてと、
かなりの要素が近似している。

監督は〔オカンの嫁入り〕の『呉美保』。
前作とは相当に異なるテイスト。

一方の脚本は〔さよなら渓谷〕の『高田亮』。
こちらは、近しいノワールな雰囲気。


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酒とパチンコに明け暮れ、
日々を無為に過ごす『達夫(綾野剛)』が
『千夏(池脇千鶴)』と『拓児(菅田将暉)』の姉弟に出会う。

『達夫』はココロに
姉弟は家族内に夫々闇を抱えていることが、
次第に分かって来る。

実は単純な(尤も、本人達にとってみれば切迫した)事情を、
時間を掛けて小出しにして行く流れは、
ややまだるっこしさは感じるが、
造りとしては手練れている。

取り立てて、驚くほどの事象ではないけれど、
『達夫』が荒んだ生活をおくる、または
『千夏』が身を売って金を稼がねばならない理由としては
頷けるものがある。


抜け出したい、しかし抜け出せない、
どうにもならない環境に蠢く三人を描き、秀逸だ。

ただ、先の作品が、いみじくもタイトルに付いた
「炭」の如く陰鬱で救いがなかったことに対し、
今回はやはり「光」が表示する様に
希望が仄見え、観ている側にとっても救いに映る。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

ジョゼと虎と魚たち〕では貧相なおっぱいを披露しつつ、
しかし、障害のある女性をリアルに演じ
我々を驚嘆させた『池脇千鶴』が
本作では年齢相応な部分もあるだろうが、全体的に肉が付き
時として豊満ささえ感じるハダカを披露している。

これが、意図しての肉体改造であるならば、
見上げた役者根性と言えるだろう。


「R15+」であるものの、主役二人の絡みは
どちらかというと淡泊な部類で
あまりエロさは感じない。

寧ろ切迫した、互いを希求する態度が強く見え
観ている側の欲情を刺激するほどではなく
指定の仕方にやや疑問が残る。