RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ウルフ・オブ・ウォールストリート@109シネマズ川崎 2014年2月11日(火)

席数246の【シアター1】は満員。

当該劇場のロビーは比較的閑散としているのに
標題作のこの混雑は、一重に「アカデミー賞」候補の故か。

それが証左に、エンドロールが終り
館内の灯りが点いた時に、
観客は二割程度しか残っておらず、
ま、そ~ゆ~ことか。


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勤務する会社が「ブラックマンデー」で解散の浮きに目にあった
証券マン『ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)』は
都落ちした先のペニー・ストックを扱う会社で成り上がり、
やがては自分の会社を立ち上げ、
アメリカ経済の中心「ウォールストリート」で
「ウルフ」の二つ名を戴き、一年で数十億のサラリーを得るまでになる。

しかし、その実態は、
屑株の押し売り、インサイダー、相場操作、不法な売買と
法の裏道をまっしぐら、
更には、会社の幹部達と、ドラッグとセックスと酒に塗れた
自堕落な日々をおくっていた。

本編は三時間の長尺を使い、『ベルフォート』の栄枯盛衰を
余すところなく描き出す。


それにしても、アメリカという国はホントに判り難い司法制度。
「司法取引」とか、さっぱり判らん。

で、例によって本編の終りには
「事実をベースにした物語」ではあるものの
「現実の人物や会社」をモデルにしたものでは無い、
旨のロールが出るのだが、実在の『ベルフォート』は51歳。

映画の元となった原作(自著)はベストセラー、
現在はモチベーショナル・スピーカーとして
世界中を駆け回っているとゆ~、
如何にも、彼の国らしい(あ、日本でも、類似例があったか・・・・)。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。


御年70歳の『スコセッシ』だが、その勢いは衰えるどころか
止まる処を知らず、五度目のコラボレーションとなる『ディカプリオ』との呼吸もぴったり、
破天荒でお下品な主人公の半生を、これでもかと言う位の勢いで見せつける。

本編からは三文字言葉やハダカ、差別用語が溢れ出し、
流石「+R18」指定だけのことはあるものの、
人生はその一片を拡大すれば喜劇、との箴言の如く
場内は都度都度の哄笑に包まれるのだが、
これってホントに笑いどころなの?と言った
日本人らしい奥床しさも垣間見え、
いやいや本国であれば、眉を顰めながらも爆笑の渦であったろうに。