RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

エンダーのゲーム【吹替】@109シネマズ川崎 2014年1月19日(日)

映画館で「吹替」版を観るのは
生まれて初めてかもしれない。

だって、「字幕」版をやってないんだもんなぁ
通常料金で。


封切り二日目。
席数121の【シアター5】は八割程度の入り。

しかし、その客層は「吹替」から連想されるものとは
程遠く、お子はほぼおらず、多くは中年男性。

字幕にまでルビが振ってある親切心は判るが、
ここいら辺、マーケティングの方向性を
公開サイドは見誤っている気がするが、どうか。

原作は「ネビュラ賞」「ヒューゴー賞」を共に受賞している。
少年の成長譚ではあるものの、ジュブナイルとは一線を画すだろう。


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舞台は近い未来。


人類は未知の異星人「バガー」の侵攻を
一人の英雄の献身的な行動によって撃退。
新たな攻撃に備えるため、
バトルスクールを設置し、優秀な子供をリクルート
英才教育を施すことで次世代の司令官として育成しようとしていた。

一方で、極端な人口抑止策のため、
三人以上の子を設けるには、当局のお墨付きが必要な世界。

そこで、三番目の子供として生まれた『エンダー(エイサ・バターフィールド)』は
(日本だと「トメゾウ」みたいな愛称か)、幼い頃から
バトルや指揮に天賦の才を発揮し、「戦いを終わらせる(モノ)」=「エンダー」
として育てられていく(ここでの『エンダー』は二重の意味として掛かっている)。


しかし、原本は相当の長編。
それを二時間弱の尺に押し込んでいるので、
主人公達の心理や成長、世界感の描写は当然薄いものにならざるを得ず、
観客はそのあたりを想像により斟酌、補っていくしかないのが
かなり不満。

テンポと進行が早すぎるため、
全体的にぺらぺらとした印象になってしまう。


なので、実際のバトルに到るエピソードは
中途から先が読め、その面での驚きは無いものの、
主人公が最後に選んだ行動は、かなり肯んぜる部分があり、
事前にバラ蒔かれたエピソードは、
そこに収斂させるためへの布石で、かなり上手く造り込まれている。

ただ、どう考えても、
今流行りの前・後編で作成し、
主人公周辺も含め、もっと登場人物に厚みを持たせた作品にすべきではなかったか。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

主人公が鍛えられる部分は『愛と青春の旅立ち』を
異星人との向き合いは『エイリアン』を
夫々彷彿させる。

そう言った、過去の映画の記憶にも、満ち満ちている。