RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

DOMANI・明日展@国立新美術館 2014年1月13日(月)

会期末が~1月26日(日)と迫っているのに、
ディスカウンターでのチケットの値段が下がらない。

新橋/渋谷/新宿の主だった店では
多くが650円見当。

ちなみに、一般の入場料は1,000円

そんな中、新宿のとある店で90円!で売られているのを見つけた時は
小躍りしてしまった、何かの間違いじゃあないか。
これは、もう、即買い、でしょ。


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で、訪問日。
館内は全体的に空いている。天気も良いのに
どうしたことだろう。

月曜休だとの勘違いか、
それとも「成人の日」故か。

何れにしろ、ゆったりと鑑賞できるこちらにとっては
好都合。

当該展も、人の影は、かなり疎ら。


チラシには計五十一名の出展者がクレジットされているが、
その内四十三名は「建築」のパートで、
間口:半間×奥行;二間くらいの均一なスペースに
ぎゅっと押し込められる様に展示が並んでいる。


自分の主目的の「アート」部分は八名の出展で、
これだけだと例年とさほど変わりのない人数。


その中では『大栗恵』の一連の写真群に激惚れ。

大きな窓が開け放たれた白い洋室には、
紗にかかった様な、柔らかな日差しが差し込み
緩やかに吹き込む風に、これも白いレースのカーテンが
ふわりと揺れる。

絵に描いた様な情景が、写真上に
さりげなく再現されているが、
良く観ると、彼女が影響を受けたと言う
マグリット』の〔イメージの裏切り〕=「これはパイプではない」が
飾られていたりして、私小説的なヒストリカルな見え方も醸し出す。


それと、もう一つ
『吉本直子』の白い服を素材にした一群の作品にも
どきりとさせられる。

最初は、全ての素材が白いワイシャツかと思っていた。
その形状も様々ならメーカーも多様、
「TOPVALU」があるかと思えば
「COMME CA ISM」がある。

しかし、観て行く内に、
例えば「小鉤」をみつけ、おお、どうやら
足袋も含まれているらしい、
と、すると、原材料はホントに広範な「白い衣類」なのだな。

白い服は意味深。
白装束であれば特定の人しか着衣しないわけで、
ある意味、それを纏っていた人の歴史を語るモノでもある。

それらが、煉瓦様のブロックに小さく硬く
固められ、壁一面に積み上がり、その前には白い椅子が一脚置かれる。

我々は、そこに腰掛け、
なだれ込んで来る大勢の茫漠とした意識と対峙することになる。


それと、また
天井から細いワイヤで形成された構造物が
浮遊するように吊り下がっている
『川上りえ』の〔GRAVITY〕もなかなかイイ感じ。


総じてみれば、値崩れしないのも
尤もと感じた次第。