RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

キャプテン・フィリップス@品川プリンスシネマ 2013年12月16日(月)

席数96の【シアター7】は三割程度の入り。

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最近流行の「実際の出来事」をベースにした物語。
作品によって出来・不出来の差が激しいのだが、
これは、超上出来の部類。


「マースク海運」が所有するアメリカ籍の
アラバマ号」がソマリア沖で海賊に乗っ取られる。

その一連の事件で人質となった船長
『リッチ・フィリップス(トム・ハンクス)』の
言ってみれば英雄譚なのだが、
この船長、冷静かと思えば、時として蛮勇を奮い、
その結果として、ある時は事態が好転し、
ある時は自身が窮地に追い込まれる。


状況は目まぐるしく二転三転する。
それが故に、我々は画面から目が離せない。

船の乗っ取り、
船長の人質と救出作戦
の大きな二つのヤマの間に、
小さなヤマを幾つも配し、
最後まで緊張感が持続する。


船の乗組員、そして海賊達の組織と
登場人物は多いが、
トム・ハンクス』の独り芝居に近い熱演が印象に残る
(あ、あと、海賊のリーダー『ムセ』を演じた『バーカッド・アブディ』も素晴しい)。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

本作が単なるアメリカ礼賛に堕していないのは
都度言及される、何故海賊達が、その行為に及ぶのかの
背景描写があるからだろう。

それらは、声高に語られるわけではないけれど、
彼等の上位に居る、更なる簒奪者の存在や、
一方で奪い、一方で施す先進国の欺瞞も
キチンと言及されていて、
さりげなくはあるものの、随分と心に残る。


それにしても「マークス海運」が撮影に協力するのは
プロモーションにもなるから当然としても、
US海軍が実際の艦艇を出す全面協力を、よくしたなと。

特殊部隊「SEALs」による作戦は、一歩間違えばあわや
の行為だっただけに、アメリカという国の併せ持つ非情さも
同時に描いているのだが。