RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

小笠原伯爵邸@若松河田:スパニッシュ

と、言うことで
事前に予約をし訪問してみた。

曲りになりにも「ミシュラン」の☆が付いている。

なので十日ほど前に電話し、念の為にドレスコードの有無なども確認する
ジーパンにスニーカーでなければOK、とのこと)。

前日には、先方から確認の電話もある。


当日は予約より少し前に店着。
来意を告げると席へと案内される。

少しお早いお着きですが、食事のご用意ははできておりますと、
いや、もうお腹はぺこぺこですよ。


10,500円(サービス料10%別)のディナーコースは、
所謂、少量多皿。


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《マジョラム風味のサーモンとごぼうエスプーマ》
《仔羊と玉葱のキャラメリゼのクリスピーサンド》

牛蒡の強い味はしっかりするのだが
土臭さは皆無。
子羊も軟らかい食感で上々。


イメージ 2


《姫烏賊のプランチャ 加茂茄子のボンボン
ピキージョピーマンのエッセンス》

見た目からして美しい。
四色が全て手が込んだソース。
烏賊の火の通り加減も申し分ない。


《セップ茸のエラードとフォアグラのクレマ
ペドロヒメネスのキューブ》

痛恨である。写真を撮り忘れてしまった。
フォアグラはアイスクリーム状で、口の中で
はらはらと融けて行く。
茸はほの暖かく、冷たいフォアグラとの取り合わせの妙。
ポート酒の様に、濃い甘い酒をキューブ状にしたもので
食味が蘇る。


イメージ 3


《イディアサバルチーズのアロスクレモソ 塩鱈コンフィ》

チーズの旨味もガツンと濃い。
芯の残る米も良い炊き加減。
鱈の状態が素晴らしく、特有の薫りは抑えられ、
旨みだけが舌に広がる。


イメージ 4


《黒むつのアサード クリュスタッセのフーゴ
ポワローとヘーゼルナッツのクレマ》

最初松の実かと思ったが、これもソースの補強材で、
緩やかに溶け出し、次第に味が変化する。
ムツの火入れも絶妙。皮目もぱりぱり。
身に厚みがあるので、食べてる感が横溢する。


イメージ 5


《イベリコプルマの備長炭焼きと茸のソテー
梨の赤ワイン風味 シナモン、クローブのインフッション》

矢張り肉には甘いソース。
付け合せられた梨は赤く染まり、爽やかな甘み。
しかし、肉もらしい味わいで旨いなぁ。


イメージ 6


《ビーツのソルベテ ヨーグルトの泡とカシスのアクセント》

泡=ヨーグルトである。
ヨーグルトの酸味が、やはり甘酸っぱいシャーベット
(とは言っても、滑らかな口溶け)と相まって
素晴しい二重奏。


イメージ 7

ラム酒の香るメープルのパルフェ
 愛媛県産和栗のピュレとともに》

どうにも《パフェ》には見えないが、食べて吃驚、
確かに《パフェ》の味がする。
これは秀逸だ。
栗のピュレは、栗羊羹の味わい。
和洋折衷ながら、本メニュー中、最上の驚き。


イメージ 8


《コーヒー、小菓子》

更にコーヒーとお菓子が付く。
カップが空けば、お代わりは如何と
すかさず声が掛かる。


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《Erre Punto Blanco 2011 7,350円》

ワインは9~10月のセレクトワイン。
酸味や辛さは控え目。樽の薫りも抑え気味。
尖りの無い、素直な美味しさ。

で、これだけでは足りずに、
泡モノをグラスでオーダー。1,575円。
どうやら店の名前を冠したオリジナルの様子。


イメージ 10


《パンとオリーブ》

パンは三種類あり、あと一種は黒パン。
どれも麦の旨味がみっしりと詰まっている。

水をお願いすると、《エビアン》がボトルで出され、
これは1,050円。
高級店にはありがち。



支払は〆て、34,000円。

評価は「高級店」基準の☆五点満点で☆☆☆☆。


今回改めて思ったコト。
それは支払額が上がるに連れ、
サプライズの要素が減って行く。

お安い店では、この値段で、この量・この内容・この供し方、
と言った驚きがままあり、それがそのまま魅力に繋がる。

しかし、これだけの金額だと、(それらが)有って当然、
の気持ちになっちゃうんだな。


最後に、一点、不満を。

皿出しは淀み無く、申し分ない。

ただ、サーブの時に、料理の説明がされるのだが、
これがごにょごにょと何を言っているのか判然としない。

静かな空間の演出かもしれないが、
これは慇懃過ぎだろう。


あと、テラス席も含め、二十卓程度が並んでいる中、
当日の来客は我々も含め六~七組程度と、半分までは埋まっていなかった。