RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

人類資金@109シネマズ川崎 2013年10月19日(土)

本日が公開初日。
席数130の【シアター2】は
九割方の入りで盛況。

客層は高齢に振れ、
カップルも散見はされるが、男性も女性も単身が多い。


イメージ 1



「M資金詐欺」を生業とする『真舟(佐藤浩市)』の前に
『M(香取慎吾)』を名乗る男が現れ、
「M資金を盗み出して欲しい。報酬は五十億」との依頼をする。

最初は訝っていた『真舟』だが
『M』の語る背景や計画に共鳴し、一世一代、
11兆円を奪取するプロジェクトに向かって動き出す。


彼の地では「山下財宝」、そして国内では「M資金」と
戦中・戦後の混乱期に日本軍がした蓄財については
その出自の妖しさ故か、騙される人も後を絶たず、
ことあるごとに
新聞にも取り上げられる。

本作ではそれが存在する前提で扱われ
話しはとことん広がって行く。

同様にその舞台も広がり続け、
国内だけに留まらず、ソ連アメリカにまで拡散する。


しかし、広がりに広がり過ぎて
内容の密度はかなりスカスカ。

第一、時価総額11兆円の資産を持つとは言え
たった一つの団体が世界経済や各国にどれほどの影響を
及ぼす力があるのか。

少々、風呂敷を広げ過ぎではないのか。

何と無くの嘘くささが、ふんぷんとしてしまう。


また二時間を超える上映時間ではあるものの、
それでも内容はかなり端折られている様で、
説明や描写の不足があり、何とも消化不良。

高説は頗る尤もなのだが、
人間関係や思想の全てに感情移入し難い作品になってしまっている。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。


森山未來』演じる『石優樹』の国連本部での長説は
古くは『独裁者』や『スミス都へ行く』でのそれを彷彿とさせるが、
本質は兎も角、内容はあまりにも軽い。