RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

韜晦ー巧術其之肆@スパイラルガーデン 2013年6月8日(土)

「韜晦(とうかい)」=つつみかくすこと、とか
「晦渋(かいじゅう)」=わかりにくいこと、など
「晦」の字には、なんとなくネガティブな波動を感じるんだけど、
それもその筈、元々の読みや意味は
(つごもり/みそか)で、要はデッドエンドや
それから転じて「暗い」イメージなわけ。
敢えてそれを「巧術」シリーズのタイトルに持ってきたことは
それなりの理由があるのだと、深読みしたくもなる。

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で、四回目の本展、
相も変わらず(良い意味で)細かい仕事の作品がずら~りと並べられ、
凄い混雑だったらどうしよう、との心配も杞憂、
人影はまばらで、かなりゆったりと鑑賞できる。

更には、プライスの付いた展示は当然として、
「個人蔵」を借りて来たものもありで、
いいものを観て貰いたいとの意気込みを感じさせる
レントゲンヴェルケ」も素晴しい。


計26名の展示の中では、

『平林貴宏』の一点、
常のモチーフながら、
彼女の身體を覆う腐食の度合いは更に強まり、
皮膚はおろか眼球、更には衣服までへと
浸蝕の度合いは止まらない。

『牧田愛』の作品を観る度に、
その中に人の影を探してしまうのだが、
今回はそれを見いだせず、
ううむ、困った、思わぬ角度から観ることで、
それは浮き出て来るのだろうか。

石黒賢一郎』は二点が展示され、
内一点は複数回観ている《EVA Series》だったのだが、
もう片方、
教室の黒板に懐かしの「ロマンポルノ」の一シーンの写真が
貼られている一作は、最初コラージュかと勘違いするほどの仕上がり、
もう、時間を忘れて魅入ってしまう。


会期は~6月16日(日)まで。