RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

第5回恵比寿映像祭@東京都写真美術館 2013年2月17日(日)

イメージ 1

場内は意外なほど閑散としている。

昨年も感じたことではあるが、
本年は更に人が居ない。

展示内容を見て回れば、成る程
そ~ゆ~こと、
映像作品と大掛かりな展示が多い。

フィルムの殆んどは尺が短めなので、
高回転率なのも背景にあるのだろう。


そんな中で、楽しめた展示だが、

3階入って直ぐの〔写真週報〕。
戦中の国策グラフ誌がずら~りと並べられ、
往時の記憶が有る人には「懐かしい」だろうけど、
今の目で見ると、そこに書かれてるスローガン・写真、
今の「北朝鮮」のそれと、なんら変わらない。

しかも、戦局が厳しくなるに連れ、
より指示が微細になり、
印刷も悪くなって行く。

国とは何か、と
改めて考えさせられる。


入り口に「一部ご不快な内容があるかもしれません」の立て札があるのは
荒木経惟』の作品群。

大きく引き伸ばされ、壁に掛けられた写真に加え、
平テーブルには、ネガが、
それも膨大な量が並べられおり壮観。

元々「私 写真」の大御所だが、
ネガを仔細に見ていくと、
「公(おおやけ)」と「私(わたくし)」の混在度合いが楽しい。

ヌード写真があったかと思えば、日常の何気ないスナップ、
食事の内容に、『高橋源一郎』や『藤原紀香』のカットが混ざっていたりで、
仕事と個人の判別さえ、もはや朦朧としている。

しかし、入り口に、こういった「注意書き」をしても
これなんかは消費者団体から撤去要請の抗議が来たと言うし。


『野口靖』のインスタレーションここでの『廣瀬通孝』の作品を彷彿とさせた。

来場者は手持ちの不要なレシートを提供する。
そこに記載されている店舗情報が取り込まれ、
ディスプレイのマップ上に表示される。

それらのアイコンをポイントすれば、
消費行動の連鎖が、次々と埋まって行く。


『ジェレミーレダー』の〔エクソダス〕の様に、
全然3D感のないがっかりな作品もあったりするが、
総じて、かなり良い感じ。

会期は~2月24日(日)まで。