原題は〔Anonymous〕で「匿名」や「作者不明」の意。
元々『シェイクスピア』は別人だった、とか
座付き作家集団による造形だった、とした説は古くからあるのだが、
此処では『オックスフォード伯エドワード』こそが
真の『シェイクスピア』であり、
当時は「演劇」は下賤の更に偶像崇拝的なものとされていたため、
貴族の(しかし、劇作の才能に溢れている)彼は
自分の名前で作品を公表することができず、
仕方なしに、影武者を仕立てたとの立場をとる。
座付き作家集団による造形だった、とした説は古くからあるのだが、
此処では『オックスフォード伯エドワード』こそが
真の『シェイクスピア』であり、
当時は「演劇」は下賤の更に偶像崇拝的なものとされていたため、
貴族の(しかし、劇作の才能に溢れている)彼は
自分の名前で作品を公表することができず、
仕方なしに、影武者を仕立てたとの立場をとる。
本編は往時の演劇を模した口上から始まる。
あらあらと思っていたら、考える間もなく
次々と眼前に現れる歴史の渦に
我々は巻き込まれてしまう。
次々と眼前に現れる歴史の渦に
我々は巻き込まれてしまう。
どうやら本作の眼目は、
1500年代後半から1600年代前半にかけての
『エリザベス1世』統治時代「チューダー朝」後期の
王位継承や権力の争い、そして女王の愛憎を
描くことに目的がある様で、
『シェイクスピア』はあくまでも狂言廻しにしか過ぎない。
1500年代後半から1600年代前半にかけての
『エリザベス1世』統治時代「チューダー朝」後期の
王位継承や権力の争い、そして女王の愛憎を
描くことに目的がある様で、
『シェイクスピア』はあくまでも狂言廻しにしか過ぎない。
才気に恵まれ、作家としては超一流ながら、
一方、策謀についての興味は薄い『オックスフォード伯』の
「悲劇」の物語と読むことが出来そうだ。
一方、策謀についての興味は薄い『オックスフォード伯』の
「悲劇」の物語と読むことが出来そうだ。
人物の造形は重厚で人間関係は複雑、
更に、画面は幾つかの時代を自在に往還するので、
西洋人の顔や名前を覚えることが苦手な、
加えて英国の歴史に疎い日本人は、
流れを掴むのにかなり難渋する。
更に、画面は幾つかの時代を自在に往還するので、
西洋人の顔や名前を覚えることが苦手な、
加えて英国の歴史に疎い日本人は、
流れを掴むのにかなり難渋する。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆。