RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

MOTコレクション@東京都現代美術館 2013年1月3日(木)

例年通り、
本日無料の日。

こちらも、年を経る毎に来場者数が多くなる傾向だが、
【東京写真】に比べれば、スペースも広いし
ベースの人数が少ないので
鑑賞に不都合を来すほどではない。

しかし、
何の為に来ているのか判らない素行の人の比率が多いのは、
どこの会場でも変わらない。


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サブタイトルは「私たちの90年:1923-2013ふりかえりつつ、前へ」
会期は~来月3日(日)までで、一般の入場料は500円。


何故に区切りが九十年なのかは不明だが、
この期間を描いた(に、描かれた)作品で
大まかに俯瞰しようと言う試み。


一階ではいきなり『横尾忠則』のポスター群が目を楽しませてくれる。
1960年代を主としたそれらは、
なまじの書物よりも雄弁だ。

世相という側面では『新海覚雄』の油絵も素晴らしい。
中でも、小品ではあるものの〔歌手〕は、
向かって右側に僅かに空けられたスペースに
得も言われぬ余韻が漂う。


日本の過去を顧みつつ、二階へ向かう。
こちらでは、海外と現代作家の作品が並べられている。


嬉しいのは、『秋山さやか』と『伊庭靖子』の作品が
夫々一点づつではあるものの、出展されていること。

特に前者は、【深川】界隈を渉猟した成果が大きな地図に綴られ、
この場の力を発散している。

サム・テイラー=ウッド』の〔泣く男〕シリーズが素晴らしい。
壁には、計二十三人の、泣いている外国人の男たちの写真が
ずらりと懸架されているのだが、
主役となる「泣いている男」は
サム・シェパード』『ポール・ニューマン』と言った
名だたる俳優・有名人達。
これは、備え付けの「出品リスト」と首っ引きで
観て廻るのがおススメ。

小沢剛』の〔地蔵建立〕は
世界各地で、様々なカタチの地蔵-影であったり、紙に書かれたものであったり、
地面に直接描いたものであったり-と、その場の景色を同撮したもの。
とってもお馬鹿さんな雰囲気なのだが、
選択された場が、夫々意味アリで、
供養の側面が浮かび上がって来る不可思議さ。


常設展といえども、全体的にはかなり楽しませてもらった。

新年早々、良い感じだ。