RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

綱引いちゃった!@チネチッタ川崎 2012年11月23日(金)

席数191の【CINE 10】は、
ほぼ満席。

勿論、封切り初日、
加えて、外は生憎(館にとっては幸い)の雨。
オマケに、千円均一と来れば
むべもない。

親子連れが多く見受けられるし、
全体的に客層は若年に振れている。

安心して子供にも見せられる作品
ということだろう。


イメージ 1


昨今の多くのスポ根モノがそうであるように
(別にスポーツものに限らないけど)、
本作も実際の出来事をベースにしている様に見える。


地方都市は一様に過疎化が進み、
主要な企業も海外へ、その生産拠点を移している。

そんな中で、大分市は企業誘致による地域経済の再生を横目で見ながら、
一方で、町興しの方策を模索している。

市長の命を受けた市役所広報課の『西川千晶(井上真央)』が
目を付けたのは、かって全国大会優勝を複数回に渡って成し遂げた
女子綱引きチームの復活。

市長と交渉し、
廃止が検討されている市内の給食センターの存続を条件に
チームを結成させる。

しかし、それからが『千晶』にとっての受難の始まり。
人員不足の為、自身がチームに入らざるを得ず、
あまつさえ、纏まりの無い中年女性達を束ねる
キャプテンにまで指名されてしまう。


有りがちなストーリー展開である。

チーム員は皆が夫々、
過去の傷や、進行する問題を抱えている。

それらを含めて、各種の障害も発生する。

諍いがあり、チームの存続の危機があり、
再びの融和がある。


超えなければいけないハードルが高いほど
オハナシとしては面白くなるのだが、
それを造りすぎると、遊離して現実味が無くなってしまう。

本作は、その点の匙加減が絶妙にできている。

親子関係・介護・失業。
今時な家庭の時事を上手く盛り込んで
克服すべきアイテムとしているのだが、
全て自分の周りにも有りそうな、
極めて卑近な味付けは、彼女等に、より親近感を抱かせる
仕掛けとなっている。


時として芝居臭い科白回しが気になるが
(特に、主人公の母親を演じた『松坂慶子』に顕著)
それに目を瞑ればかなり上出来の部類ではないか。


特に最後のエピソードでの綱引きの場面(お約束だが)は、
見ているこちらの方も力が入ってしまう。

観終わって爽快ささえ感じさせる、
確かに親子でも存分に楽しめる、
軽妙な作品に仕上がっている。


が、、一点だけ、
オープニングは頂けない。

全体の流れとも調和していないし、
タイトルバック作成のための
まるっきり意味の無いシークエンスとしか思えないのだが・・・・。