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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

没後70年 竹内栖鳳 ―京都画壇の画家たち@山種美術館 2012年11月20日(火)

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一般の入場料は1,200円だが
今回は招待券を頂いた。

前・後期に分けられ、
最終日は今月25日(日)。

機会を伺っていたのだが
なかなか時間が取れず、
こんな終了間際の訪問になってしまった。


当日は、開場の数分前に着。
定刻に入場したため、
場内はかなり空き空きの状態。

が次第に人が入り始め、
一時間も経つと、かなりの混雑に。

何時ものことながら、
美術に関係ない話を声高にしながら歩き回る
何しに来たんだがわからないオバサン達も多いのだが、
今回は背広を着た、比較的若いサラリーマンの姿が目に付くのが異色。
何かの研修だろうか。


会場内は大きく三つのコーナーで構成される。

先ずは『栖鳳』の先人達の画業、
次いで彼自身の作品群、
最後に同時代の画家達と、
与えられた影響と、それをどう消化し、
更に周囲に派生させて行ったのかが
一望できる内容となっている。


作品の配置も頗るユニークで、
『応挙』の〔龍唫起雲図〕の斜め前に
『栖鳳』の〔雲龍〕が置かれ、
前者は三白眼、上目使いで、人相が悪そう、
後者は団栗眼で、なんだか人が好さそう、とか。

矢張り同じ作者の〔竹雀図小襖〕の前には
〔百騒一睡〕。
雀の描き方の違いを、眼を皿にして見つめる。

『森狙仙』の〔春風猿語図〕で
無骨な樹木の木肌があることで
猿の毛の柔さが、より引き立つ事を確認した後、
さて、関連作はどこにあるのかと見れば
〔飼われたる猿と兎〕がきっちりと用意されている。


しかし、本展での個人的な白眉は
〔虎・獅子図〕の柔らかな毛並と
それに比する様な、ぴんぴんと撥ねる髯や、
ざっくりとした中に細密な写生力が光る〔蹴合〕であり、
少女の恥じらいの一瞬を瑞々しく描写した〔絵になる最初〕である。

総展示数は五十強だが、
その濃密さは類を見ない。

本年必須の展示会だ。