「大ヒット上映中」の文字が、
金曜の夕刊に踊っている。
金曜の夕刊に踊っている。
予告編も確かに面白そうだし、
原作は勿論の事、ベストセラー。
原作は勿論の事、ベストセラー。
オマケに今回は原作者が脚本も担当しており、
トンデモナイ間違いはないだろうと、
期待はいやがうえでも高まる。
トンデモナイ間違いはないだろうと、
期待はいやがうえでも高まる。
それでも、こんなに混雑しているとは思わなかった。
席数175の【シアター4】は満員。
しかも、子供連れの親子が多いのは理解できるが、
小学生だけの集団が散見されるのは、
かなりの驚きだ。
小学生だけの集団が散見されるのは、
かなりの驚きだ。
時は戦国時代末期。
現代であれば埼玉県行田市にある
「忍城」の城代の息子『成田長親(野村萬斎)』は
その風貌や日頃の振る舞いから
家中からは奇異な目で、しかし領民達からは
「(木偶)のぼう様」と慕われていた。
現代であれば埼玉県行田市にある
「忍城」の城代の息子『成田長親(野村萬斎)』は
その風貌や日頃の振る舞いから
家中からは奇異な目で、しかし領民達からは
「(木偶)のぼう様」と慕われていた。
一方、北条氏の居城である小田原城の征伐を
決意した『豊臣秀吉(市村正親)』は
腹心の部下達を各地に振り向け、
最も組み易しと見た「忍城」には
寵愛する『石田三成(上地雄輔)』を向かわせ、
武功を立てさせようとする。
決意した『豊臣秀吉(市村正親)』は
腹心の部下達を各地に振り向け、
最も組み易しと見た「忍城」には
寵愛する『石田三成(上地雄輔)』を向かわせ、
武功を立てさせようとする。
原作の物量からすると
全てのエピソードを掬い上げるには
二時間半の尺でも不足だったに違いない。
全てのエピソードを掬い上げるには
二時間半の尺でも不足だったに違いない。
ため、ここでは、
主要人物に付加される印象的な出来事だけを上手く脚本化し、
外見も含めた人物造形が効果的になされているわけだが、
一方でそれはステレオタイプな表現になってしまっているのが
少々惜しい。
特に、それは「忍城」の武将達に顕著だ。
主要人物に付加される印象的な出来事だけを上手く脚本化し、
外見も含めた人物造形が効果的になされているわけだが、
一方でそれはステレオタイプな表現になってしまっているのが
少々惜しい。
特に、それは「忍城」の武将達に顕著だ。
それに比して豊臣方の武将達は、官僚的に、見た目も似通って描かれ、
最初は、判別さえ難しかった。
最初は、判別さえ難しかった。
本編は、能吏であるが故に、周囲から疎んじられ、
豪放な『秀吉』に憧れるものの
そうは成り切れない、生き方が不器用な『三成』と、
所作は不器用ではあるものの、その為に多くの人に愛される
『のぼう』の対比の妙が面白さの根幹を成している様だ。
豪放な『秀吉』に憧れるものの
そうは成り切れない、生き方が不器用な『三成』と、
所作は不器用ではあるものの、その為に多くの人に愛される
『のぼう』の対比の妙が面白さの根幹を成している様だ。
二人には根底に共通の信念があり、
それが響きあうことで
肝胆相照とは行かないものの、
仄かに通じるものが派生し
互いの生き方が変わって行く。
それが響きあうことで
肝胆相照とは行かないものの、
仄かに通じるものが派生し
互いの生き方が変わって行く。
笑わせて、しんみりとさせ、
戦闘シーンは、華やかさや豪華さはないものの
迫力に手に汗握らせる。
戦闘シーンは、華やかさや豪華さはないものの
迫力に手に汗握らせる。
かなり上出来な部類の一作である。