RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ダークナイト ライジング@チネチッタ川崎 2012年8月12日(日)

封切り二週目だと言うのに、
席数135と、さほど広くはないものの
【CINE3】は、九分通りの入りで、
これはかなりの驚き。

どうにも、大層な人気だなぁ。

イメージ 1


『ジョーカー』『トゥーフェイス』との死闘の後、
偽りのイコンと、誤った賞賛を遺し
バットマン』は身を隠す。

それから八年。「ゴッサムシティ」は
表面的には平穏は日々が続いている。

一方、『バットマンブルース・ウェインクリスチャン・ベール)』は
屋敷に引き篭もり、一歩たりとも外に出ようとしない。

そんな折、新たな破壊者『ベイン(トム・ハーディ)』が現われる。


神経を逆撫でする映画がお得意の監督『クリストファー・ノーラン』だが、
本作はその方向性が良い面に出た典型例。

バットマン ビギンズ〕〔ダークナイト〕と続いた一連の作品の
掉尾を飾るに相応しい。

思えば〔スターウォーズ〕は剣戟が主題の連作であり、
本サーガは「肉弾戦(下世話な表現だと「素手でボコルる」)で行くぜ」
との決意表明は、初作で先ずなされ、最終作にも立派に踏襲されている。

俗に言う「秘密兵器」等は、あくまでも脇役に過ぎないわけだ。


最初は「弱いかな」と思った『ベイン』の
平和への反逆のモチベーションも、終盤になって
かなりの”理”があるものに見えて来る。

観終わってみれば、ぐるりと廻って、初作に戻る輪廻が構築されており、
過去二作の経緯を思い起こせば、これはもう唸るしかない
(若干のどんでん返しも有るしね)。

監督の選択と、それによるダークな世界感の構築が
上手く表出した、ということだろう。


常の如く、執事の『アルフレッド(マイケル・ケイン)』との遣り取りは
ウイットに富んで楽しいし、今回は
新しいキャラクター『セリーナ(アン・ハサウェイ)』とのそれが加わり、
更に笑わせて呉れる。


原題は〔The Dark Knight Rises〕。
どう考えても、物語の真髄を表現するには
(当たり前だけど)ドンピシャなのに、
日本では、何故換えてしまったのだろうな?