RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ヘルタースケルター@TOHOシネマズ川崎 2012年7月14日(土)

巷では、主演の『沢尻エリカ』のおっぱいが
出るか出ないのかで、かまびすしい。

本日は封切り初日、
加えて「シネマズデー」。
先の情報をドキドキしながら信じるおぢさん達で満席かと思ったら
席数335の【SCREEN6】は七割程度入り。
しかも、客層は幅広く、カップルや、熟年のおばさん達も散見され、
おいおい、これは「R15+」だぜと思いつつも、
ワイドショー等での事前の煽りの結果かと、独りごちる。

おっぱいが随分と騒がれているいるようだが、
今を時めく『真木よう子』だって、『尾野真千子』だって
ちゃあんとおっぱいを出しているわけで、
要は、有名になってから出すのか、
出して暫らくしてから売れるのかの、
単純な差かと。

加えて、監督の『蜷川実花』は
遊郭を舞台にした前作の〔さくらん〕で
土屋アンナ』『木村佳乃』『菅野美穂』『美波』『小泉今日子
等の女優を使いながら、おっぱいを出さずに、世のおぢさん達を
がっかりさせた前科がある。

でも、本作は大丈夫。
冒頭のシーンから、しっかりとおっぱいは
露出されるから。


イメージ 1


トップモデルの『りりこ(沢尻エリカ)』は
その姿を見ないことが無いほどの売れっ子だが、
全身に非合法な美容整形を施しているという秘密があり、
加えて、その手術の後遺症やカラダの変調に悩まされている。

やがて、同じ事務所に『こずえ(水原希子)』というライバルが現れ、
更に頻出するカラダの異常が精神的にも肉体的にも
『りりこ』を蝕んで行く。


どうやら原作を忠実に映画化している様で、
終演時の観客の声も「まるっきり一緒じゃん」
の反応が大半。

それ故、やはりうそ臭さが漂ってしまう。
二次元では気にならない、
登場人物の造形や性格付けも
生身の人間で演じられると、
「こんなのは有り得ない」という思いが立ち上がってくる。


また、監督は、今回も自分の美学を貫き、
各パーツは美しいのだが、全編を通して観た時には、
継ぎ接ぎのスライドショーの印象。
余分なシーンが多すぎで、二時間強の尺は長すぎ。
もっと、ばっさりとカットしても良いだろうに。

ライバルの『こずえ』は『りりこ』に対して
圧倒的に差が付く存在でなければいけないはずで、
また妹の『ちかこ』は衝撃的な存在でなければいけないはずなのに、
本当に、これで良かったのだろうか?

ただ、マネージャーの『羽田』を演じた『寺島しのぶ』は素晴しく、
化粧っけもなく、『りりこ』に辛くあたられる中年のオバサンを好演で、
助演女優賞モノ。


いずれにしても、前回同様、細部の観応えはあるのに、
通して観れば映画としての成立感が今だしの一作。
でも、嫌いじゃあないんだけどね、
こういった類の作品は。