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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ももへの手紙@チネチッタ川崎 2012年5月1日(火)

席数107の【CINE 1】は七~八割程度の入り。
客層は、若干若年が多い様だが、
タクっぽい人も、ちらほらと見かける。

イメージ 1


父を事故で亡くした『もも』は
母の故郷の瀬戸内海の小島「汐島」に
越して来る。

父が亡くなる前に、
冷徹な言葉を投げつけたことを
『もも』は後悔している。

また、父の遺品に紛れていた
「ももへ・・・・」の書きかけの手紙の
真意も知りたいと思っている。

一方で、母の独断で(と、『もも』は思っている)連れてこられた
田舎の暮らしにも馴染むことができない。

そんな彼女の前に(唐突に)三匹の妖怪が現れる。


奇しくも、ここでも、この世のものではないもの
が触媒となり、
家族の再生が語られる。

なぜ妖怪が現れたのか、
そして、彼等の役割はなんなのかは、
次第に明らかになり、相応に納得できる内容ではある。

三匹に対するリアクションは、
おそらくこちらの方が真性に近いだろう。
そう言った意味での好感は持てる。


しかし、本作の各種の描写は
ジブリ」の影が透けて見える。

例えば、妖怪の協力を得、
嵐の中を激走するシーンは、
「猫バス」のそれが見え隠れする割には
その疾走感を超えられない。

蜜柑畑のチエィスも、(方向性は面白いが)
一方的に登るのみで、空間の広がりが見られない。
エピソード自体も、取って付けた様な
唐突感がある。


ジブリ」内での拡大再生はアリだが、
こういった中での使用は、もっと大胆に換骨奪胎すべきだろう。
素材は良さげだっただけに、
少々残念な後味の一作であった。