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東京藝術大学 大学院美術研究科 博士審査展@東京藝術大学大学美術館 2011年12月11日(日)

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10日間という短い期間の展示。

今回の驚愕は
『多田えり佳』の〔時を編む〕。
台座を含めて、全てがガラスによる造形の
赤ちゃんの靴と産着と帽子。
僅かに濁りのある素材は
近寄ってみればそれと判るのだが、
ちょっと見には、それらのウェアーが持つ本来の質感を
まざまざと体現している。
なんと言う超絶技巧。
同時に展示されている〔時を包む〕は、
「自然の収集物」の体裁だが、
同様に色や形だけでなく、
そこから発散される波動までもが、
実物のように感じられてしまう。

『金東昱』の〔白磁彩色〕のシリーズも素晴しい。
丸みを帯びた美しいフォルム。
蒔絵を思わせる煌びやかな彩色。

日本画では
『大竹彩奈』の〔彩りの喧騒〕と〔たゆたう〕。
美しい衣装とは対照的に、くすんで描かれた人物は、
心なしか薄気味悪い。
日常に潜むあやかしが、実は
直ぐ傍にあることに気付いてしまう。


これとは別に、
【絵画棟1階】のギャラリーでは
“SHORT +SHORT”と題して、
「大学院 油絵技法・材料研究室 博士課程1年」の
研究発表=グループ展も観ることができる。

此処では、やはり『森洋史』でしょ。
御馴染みのモチーフ・タイトルの、何れも大きな作品が数点。
当日はご本人も会場にいらした様子。