RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

リアル・スティール@109シネマズ川崎 2011年12月10日(土)

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175席の【シアター4】は満員。
客層は当然のことながらカップルが多い。
吹き替え版も用意されているためか、
子供連れは思いの外見あたらない。


愛する誰かのため、又は自分の誇りのために
リングで闘うというシチュエーションは
〔チャンプ〕であったり〔ロッキー〕であったりと
枚挙にいとまが無い。

ただ本作のリング上で格闘するのは
それ専用に創られたロボット。
舞台は近未来の設定となっている。

一方、ロボットによる格闘も
永井豪』の〔アイアンマッスル〕、
浦沢直樹』の〔プルートウ〕で描かれている様に、
どこで操縦するかは別の話として
新しいアイディアではない。

注)原作は『リチャード・マシスン』の1956年発表の〔四角い墓場〕。
日本では短編集の〔運命のボタン〕に集録(ハヤカワ文庫)。

しかし、前述の二つを融合させた本作は、
そのストーリーの語り口を含め、
手に力が入る興奮がありながら、
最後には感動できる良作となっている。
ただ、展開やカットは、
かなり〔ロッキー〕を意識している部分が多い様にも感じるが。


人生を賭けていたボクシングへの夢が破れ、
今はロボット格闘技に入れ込んでいる
『チャーリー・ケントン(ヒュー・ジャックマン)』が
亡くなった嘗ての恋人との間にできた子供
『マックス・ケントン(ダコタ・ゴヨ) 』と
ひょんな経緯で一緒に暮らすことになり、
今までとは違う角度から、
血のつながりやロボット格闘技に向き合うことになる。

当然、従前の態度が悪いほど、
それが改善された時のインパクトは大きい訳で、
まずは『チャーリー』の無計画な生活が
お約束通りたっぷりと描かれる。

そして『マックス』とのふれあいの中で、
次第にココロを通わせて行く過程も御定法なのだが、
妙に心地良いサムシングがそこにはある。

最後に我々が得るカタルシスは衒いの欠片も無いもので、
素直に感情が揺さぶられる。


それにしても
スピルバーグ』がクレジットされている影響が随所に見られる。
所謂、日本好き、というやつ。

例えば、登場するロボットの外見や漢字のペインティング。
命令するためのコマンドが日本語だったり。

また、一方の主人公である『ATOM』のネーミングと
顔の造作。
これはどう見ても変身前の『大魔神』だろ~。