RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

マネーボール@109シネマズ川崎 2011年11月19日(土)

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席数121の【シアター5】は九割方の入り。
本作の質に勘案すると、少々、小さいのではないか、小屋が。

客層は、少々高齢の男性が多い。


「セイバーメトリックス」という言葉がある。
データや統計を使って、(野球の)プレーが
得点やチームの勝利に、どの様に結びついたかを
数値化しようとする考え。

これによると、
俗に「セオリー」と呼ばれている、
”ノーアウト一塁での送りバント
は、アウトを一つ増やすだけ。
”ヒットエンドラン”は、
ダプルプレーの確率を増やす戦術、
といった評価になる。

勿論、選手の貢献度を数値化し、
評価~年俸の査定にも生かせるわけだが、
これを突き詰めて行ったのが、
マネーボール理論」。

限られたサラリーキャップの中で、
効率良く選手を集め、金持ち球団にも対抗する手法
という訳だ。


主人公『ビリー・ビーンブラッド・ピット)』は実在の人物。
オークランド』のGMである。
映画内では、かなりエキセントリックな表現になっているが、
実際はどうなのだろうか?

彼が先に挙げた「セイバーメトリックス」を駆使する
『ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)』を片腕に、
低予算のチームをナショナルブランドのチームに比肩させる過程を描く。

キーは徹底的な合理化。
しかし、それは
力いっぱい投げ、思い切り振る、
または自己犠牲(送りバント、とか)
が賞賛される当時の球界とは、当然ながら軋轢を生む。

孤軍奮闘する『ビリー』と『ピーター』は
さながら『ドンキホーテ』と『サンチョパンサ』の様。

しかし、次第にチームが上手く回り始めれば、
ファンは勿論、周囲の評価も変化する。
この毀誉褒貶さの描写も実に面白い。


野球好きのアメリカ人にはたまらない映画だろうし、
日本人でも若干の「MLB」の知識があれば
より楽しめる。

が、『メッツ』にドラフト一位指名されたこともある
『ビリー』の半生も共に語る脚本の妙は、
そういったことをすっ飛ばしても、
十分に興奮させられる。


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ちなみに、こんな本を読めば、
「セイバーメトリックス」については良く理解できる。