RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ツレがうつになりまして。@品川プリンスシネマ 2011年10月16日(日)

当該館も、月に一度の会員割引の日があり、
まさに今日はそれ。

「毎月16日はメルマガ会員の日」
メルマガ会員限定で、鑑賞料\1,000

という訳だ。

にもかかわらず、席数190の【シネマ9】は
三割以下の入り。
まあ、朝イチの回はこんなものだろうか。
客層は、女性の単身とカップルが多いかな。


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売れない漫画家の『ハルさん(宮﨑あおい)』は
パソコンソフトの会社に勤める几帳面な夫の『ツレ(堺雅人)』
と二人暮し。
映画はその『ツレ』が、鬱病と診断されるところから始まる。

原作は『貂々』の大ヒットコミックエッセー。
その後の新聞の新作告知等を経て、
我々は『ツレ』が完治していないことを知っている。

さて、本作は、どの様に展開されるのだろうと気を揉んで
見守っていると、物語りは
治療に奮戦することに収斂する。

しかもその過程は、何と無く、のほほんとした空気が漂い、
場内は時として笑いが溢れる。

悲壮感の無い描写は、却って事の重大さの裏返しで、
悲しさと笑いは表裏一体であることを、図らずも見せてくれる。


『ツレ』の生真面目さと鬱病と診断されるまでの語り口は
テンポも要領も良い。
当然、治療期間の描写が延々と続くのだが、
エピソードや他者との関係性をふんだんに盛り込み飽きさせない。
中途で挟み込まれるイラストも、此処では効果的。

そして最後の一節は、カタルシスさえ感じさせる上々の出来。
ココロがふわりと暖かくなる、キャッチ通りの一作。


それにしても『堺雅人』は上手いなぁ。
表情といい、台詞回しといい。
顔つきも含めて、当該の病を体現してるし。