RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

アートアワードトーキョー丸の内2011@行幸地下ギャラリー 2011年7月24日(日)

本来であれば、5月の開催予定だったのだが
震災の影響で二ヶ月後ろにずれ込んだ。

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照明も落とし気味かも、
冷房も効いて無いかも、と
例年よりも環境は宜しくない。

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行き交う人の数も、心なし疎らだ。

展示作家数は三十と、
例年より少ないかな。
スペースを広く展開している作品が多いことが
影響しているようだ。


気になった作品の第一は、今回の「グランプリ」受賞
『小山真徳』の〔わたしの荒野〕。
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旅に出た先で収集した文物の展示、
がキャッチなのだが、
拾い集めたものだけでなく、
作者の記憶や記録をベースに精巧に再現されている。

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これ等は、色褪せた琺瑯の看板を彷彿とさせる。

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この細かい造りこみは凄まじい。
加えて元々の素材が持っていたであろう、
いかがわしげなキッチュさが、より増幅され
眼前に迫って来る。

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『薄田歩美』の画面一杯に広がる
「らんちゅう」も美しさと薄気味悪さは
極近しいものであることを
改めて気付かせてくれる。

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『菅亮平』のリアルな描写も好ましい。
精細な画面は、ミニチュアをベースにした
フェイクの世界であることを知れば、
尚更だ。

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執拗なドローイングでは、
佐藤直樹賞」の『菅原有生』の作品〔根の風景〕。
誰がどう見ても、「根」そのものである。
ちら見して「根っこだね」と
通りすがりの人に言わしめる。すげ~。

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これも凄い『村林由貴』。
異形の頭に人の身体、妖しげな生き物が溢れている。

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しかし、女性らしさえ感じさせてしまう
このモノ達は、どこの世界の住人なのだろう。


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『大久保如彌』作品の主役は、
描かれている少女達ではなく、
そのシュチュエーションと、
周辺の意匠に在るようだ。
しかし、はっきりとは描かれていない
彼女らの面立ちだが、十分に好ましいがな。


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「オーディエンス賞」の『桑田朋以』。
〔水鏡 -void-〕と〔水鏡 -birth-〕は美しい白磁
加えてその繊細な細工は、長時間ためつすがめつしても見飽きない。
作品に穿たれた穴により、そのものの薄さが儚さへと転化する。
タイトルとコメントとの合致も絶妙だ。


今回も、かなりの良作揃い。
眼福に尽きる。