RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

127時間@TOHOシネマズシャンテ 2011年7月18日(月)

開場時点では、パラパラの入りだったのだが、
上映直前には、ほぼ満員の盛況。
席数224の【CHANTER-1】はカップ客が
圧倒的に多い。

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トレッキングが趣味の『アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)』は
今日も誰にも行く先を告げず【キャニオンランズ国立公園】にやって来た。
出かける直前には、母親から電話が架かって来たが、
出立の準備にかまけて出ていないし、
携帯も持って来ていない。

もとより、人付き合いが得意な方ではないので、
周囲の誰にも、今回の目的地は告げていない。

そして、峡谷に入り込もうとした時に、
上から落ちて来た岩に
腕を挟まれてしまう。

過去、ボランティアでレスキューをしたことは多々あり、
その時の経験を元に脱出の試みをするのだが、
岩石はびくともしない。

やがて生命線である「水」も尽きて来た。
そして『アーロン』は、最後の決断をする。


エンディングで、本作は実話を基にしていることが語られる。
チラシを良く見ると、其処にもキチンと、それが書き込まれている。

観客は、
『アーロン』は助かるのか

(助かるなら)どの様な方法で
と言う事にサスペンスを感じる訳だから、
幾ら実話流行の昨今でも、
配給会社が、手の内を晒すのはまずいだろう。

脱出する方法は、どう考えても、
最初から他にはない訳だから、
幾ら途中に伏線を張ったとしても、
自明のことではある。


実際の本作の素晴しさは、九十分の尺を、
ほぼ一点で撮りきったことにある。

途中、彼の過去や幻想がカットバックで挟み込まれるが、
それが『アーロン』の人となりを、
過不足無く伝える手段として機能し秀逸。

また、〔ジョーズ〕で『スピルバーグ』が行った様に、
置かれている場所を、(この場合は)俯瞰で見せる事で、
(彼が嫌っていた)都会からの距離を見せ、
孤立感を際立たせる演出も見事。


要は、先に挙げた二点は、付随的な要件に過ぎず、
それ以外の過程描写がキモなのだ。

1月に観た『アンストッパブル』も
実話を基にした秀作だった。
しかし、ホントのハナシが重要な要素ではないことを、
本作は同様に教えてくれる。