RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

画心展-selection-@佐藤美術館 2011年4月24日(日)

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正式なサブタイトルは
京都造形芸術大学日本画selection vol.1」

関西の美術学校の学生が描く作品を、
纏めて観ることができる機会は
首都圏では、そうそうは無い。

しかも、【佐藤美術館】は第一会場で、
第二会場として【中央線】を挟んで対面に在る
【東京芸術学舎】も設定されていると言う。

距離的には徒歩十分と指呼の間だし、
昨日とは打って変わっての快晴。
うらうらと暖かい陽に誘われるように、
出かけたわけだ。

こちらでは、十九名の二十四点が展示。
比較的大きな作品が多いのと、
一人で二~三点の出展もある。

『佐藤史香』の〔flamingo〕と〔ひるひなた〕は
正統な日本画
後者は猫が数匹、日向で屯って居る。
その肢体は様々で、見ていて、気持ちが暖かくなる。
毛の描写は、さほど詳細ではないのだが、
それが却って、猫の丸みや軟らかさを際立たせ
実体化させている。
それは、羽毛の描写にも、如何なく発揮されているようだ。

『佐竹龍蔵』の〔girl〕〔ひと〕〔おんな〕は
何れも、一辺が1.4メートル超の作品。
画かれているのは女性の顔のアップ。
これを『スーラ』の様な点描で、
しかも、一つのドットは消しゴム程もあり、
かなり大きい。
デジタル映像がブロックノイズでモザイク状になっている
様にも見えるが、勿論、距離を置けば、なんとも好ましい顔に
変貌するわけだ。

『金本典子』の〔めぐる〕は、『松井冬子』にも似た描写。
画かれているのは蝋燭だが、
蝦蟇の油宜しく、たら~りたら~りと蝋を流し、
それが粒となって滞留している。
何と無くねっとりとして、背筋が薄ら寒くなってしまう。


『イ・ミニョン』の〔Gamecontrol-迷宮〕。
斑のエクトプラズムが像を結び、
豹のカタチに生成される。
幾体もの豹が、階段を徘徊しているが、
来し方行く末、何れも定かでは無い。
古びた階段の茶の上に、
彼らの鮮やかな黄の対比が鮮烈だ。

『長谷川雅也』の〔隙〕も良い。
鮮やかな、マリンブールの背景は清冽。
木には小鳥が二羽。
それを横目で伺う猫。
一瞬、両者の間に緊張が走る。
じゃれている様で、けして油断をしない小鳥達。
気にせぬ素振りで、実は気を欹てている猫。
でも、この肢体は、日本の猫のそれでは無いよなぁ。
もの凄くスリムだ。

『川内真梨子』の〔SUNRISE〕も気になる作品で、
おいおい、何て良作が多い展示会なんだ。


これ程の空間に、来場者は、自分以外には
二人だけ(しかも最終日だぜ)。
なんて勿体無い。