RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

SOMEWHERE@チネチッタ川崎 2011年4月10日(日)

折角の「109シネマズの日」だと言うのに、
@川崎は長期休業状態。
勿論、他の館に行く手もあるのだが、
交通費を勘案するとねぇ。

チネチッタ』は「ポイントカード割引」を
ぶつけて来ているのだが、
スタンプが増えないのが、
躊躇する理由であるわけだ。
スタンスと言えばそれまでだが、
一考の余地はあると思うんだよね。


で、〔SOMEWHERE〕である。

イメージ 1


席数107と、さほど大きくない【CINE1】は、
ほぼ満席の盛況。
客層は、老若男女、幅広い。


ハリウッドスターの『ジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ )』は
相当の売れっ子。
身体的には、「セッシュー」しなければ
共演女優より低い身長で
かつ演劇の基本もできていないながら、
イタリアでの受賞式に参加すれば、
前後に護衛の白バイが付くほど。

セレブ御用達の長期滞在型ホテルに投宿し、
ツインのポールダンサーを部屋に呼んだり、
パーティを開いたり、
隣宿の女性の部屋に潜り込んだりと、
一見、華やか、
しかし、実際は、かなり空虚は日々を送っている。
遅れてきた「セレブリティ」とでも言うのか。

そんな彼が、元妻との間にできた一人娘
クレオエル・ファニング )』と
ひょんなことから数日の濃密な時間を過ごすことになり、
その経験が、彼を次第に変化させて行く。


実際には1時間38分の小品ながら、
かなり長く感じてしまうのは、
反復描写が多いからだが、
だからと言って冗長ではない。

繰り返すことで
可笑しさが増幅する
(この場合は、主人公の「からっぽさ」)
意識的なテクニックと思われる。

だが、それが、最初のダメ人間としての『ジョニー』と、
娘との結びつきを思い出すことにより、
次第に変化していく「父」としての側面が発露されることに
効果的に作用している。

作品自体は「ファルス」であると思うのだが、
多くの観客が笑わないのが不思議で、
独り哄笑している自分が、
「何かずれているんだろうか?」と不安になってしまう。

何らかの契機に人が変わって行く描写は、
かなりよく見られるパターンだが、
娘を演じる『エル・ファニング 』が、
むちゃくちゃ可愛い上に、
無邪気で健気。

こんな子供がいたら、
おぢさん達は、多分
魂の一つや二つは、あっさりと売り飛ばして
しまうと思うよ。