RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

桜田門外ノ変@丸ノ内TOEI 2010年12月5日(日)

行きたい作品ではあったのだが、
時間が合わず、このままでは、
来年以降の有料放送を待つだけの状態だった。

ところが、思わぬ所から前売り券を頂き、
ならばと調べると、
都内での上映館は最早僅少、
加えて時間も制限されている。
当館では、早朝の一回きりだ。

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それもあってか、キャパ350の【丸の内TOEI②】の入りは
ちょぼちょぼ。
道理で前日の予約の際、
窓口の御姉さんが「何処でも空いてます」
と、言った訳だ。

客層は、やはり年配者が多いか。
思いのほか女性の姿も目に付く。


本編は、日本史を選択した人なら、
誰でも知っているであろう「桜田門外の変」の顛末。
幕末のメルクマーク的出来事。

が、史実の中で、
事件が有ったことは知っていても、
それが、何故起きて、参加した浪士達はその後
どうなったかを認識している人は少ないだろう。

その前後の状況を、「変」に加担した水戸浪士の視点から
丁寧に描いている。


おそらく、本作品の眼目は”リアル”であること。
例えば、彦根藩邸から桜田門までが指呼の距離であることを、
余程の歴史マニアでも無ければ、そうそう知る事ではないだろう。

戦闘シーンの血の飛び散り具合、
雪に足を捕られ、ある種無様にも見えてしまう殺陣。
過去の踊るような様式美とはかけ離れているが、
血肉が通っている。
それらは、所作や風俗にも、当然のことながら及ぶ。

加えて、これは、一種のロードムービーでもあるのだ。
本州~九州を数ヶ月で往復する。
途方も無い健脚。
しかし、それは希望の無い、
デッドエンドへと向かう旅でもある。


同監督の近作とは異なリ、
極めてこじんまりとしている。
先祖がえりとでも言うのか。
個人的には、この作風の方が好きだな。

でも、諸手を挙げて賛同できるわけでは無い。
オープニング・エンディング・場面転換。
もっと上手く作れよ。
これじゃぁ、まるっきり、テレビドラマか
ドキュメンタリーだし。