RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

インシテミル 7日間のデス・ゲーム@109シネマズ川崎 2010年11月23日(火)

席数121の【シアター5】は、あっさりとSOLD OUT。
客層は、意外に小・中校生らしい集団が多い。
出演者によるものか、原作者によるものか、
はたまた評判によるものか・・・・。

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時給11.4万円という高額のアルバイト料に惹かれて、
訳有り気な男女十人が、山奥のトーチカの様な住居に集う。
しかし、その報酬を得るには、ある一定のルールに従い、
七日間を隔絶された環境で過ごさなくてはならない。
しかも、生き残ることも条件となる。

最初の一夜が明け、死体が発見される。
疑心暗鬼に落ち入る参加者達。
そして、それは以降果てなく続く、惨劇の幕開きだった。


十人を演じるのは、『藤原竜也』『綾瀬はるか』『石原さとみ』『阿部力』『平山あや
石井正則』『大野拓朗』『武田真治』『片平なぎさ』『北大路欣也』。
これだけ豪華な顔ぶれが揃えば、誰が犯人で、誰が殺されるのか、
事前に想定がつかない(逆に、誰が”生き残るのか”は、わかっちゃうんだけどね)。
推理劇は、こうでなくっちゃぁいけない。

パターンとしては、オーソドックスな「密室」もの。
連続殺人がおき、どんでん返しがあり、謎解きがある。

途中、〔そして誰もいなくなった〕〔まだらの紐〕〔緑のカプセルの謎〕〔僧正殺人事件〕
等の引用らしきものがあるのだが、これがまるっきり意味不明。
いっそのこと(映画では)、無かった方が良いくらいだ。

そしてラストの仕掛けも、上記の作品をキチンと読んでいれば
ある程度推測ができる決着。
「わあ、ビックリした」と感歎の声を上げる出来には
なっていない。

それでも、お互いの不信感とエゴから、
由縁のない殺人や擦り合いに向かってしまう、
畳み掛ける様に描かれている人間の心情は、
上々の出来である。

が、一方で〔キサラギ〕や〔アフタースクール〕、
〔情婦〕や〔そして誰もいなくなった〕で得られるカタルシス
ここでは無い。
何と無く、曖昧模糊とした決着である。

ただ、昨今の作品では、比較的上出来の部類。