RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

十三人の刺客@109シネマズ川崎 2010年10月10日(日)

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席数121の【シアター3】は、会場数分前にSOLD OUT。
客層は、年配者を中心に(PG12以上)万遍無い。


先ずは、将軍の弟『斉韶(稲垣吾郎)』の非道振りが、
これでもかと描かれる。
その残虐度合いは、観ていて気分が悪くなるほどで、
原脚本の『池宮彰一郎』と今回脚本の『天願大介』、
よくこんな事を考えたな、この人達、実は相当の悪人ではと、
思わせるものがある。

稲垣吾郎』が酷薄な『斉韶』を好演。
薄い唇も相まって、絶妙のキャスティング。
もしかして、地なのでは?と思わせる凄み。
また、妙に本質を突く深遠な科白を吐かせ、
そのアンバランスさもキャラクターを立たせている。


次いで、刺客探しの様子が描かれる。
七人の侍』をなぞっているのだろうが、
個々人の背景・得意・個性が判るように。
宿場を(ある種)ブービートラップ化するまでが、
テンポ良く進み、疑問を挟む余地を与えない。
また、お約束の笑いや、
女性関連のエピソードの取り込みも抜かりない。


そして、長時間の戦闘場面へと進む。
三十年前の作品では、位置決めを特にせず、
出遭った同士が切り結ぶ、といった演出を取ったそうだが、
本作では、その仕掛けの大きさもあり、
かなり細かく計算されたものになっているようだ。

『島田新左衛門(役所広司)』の台詞ではないが、
兎に角、「切って切って切るまくる」シーンが続くのだが、
刺客の各々に見せ場が用意され、中弛みすることが無い。


余韻を残すラストシーンを含め二時間強が
瞬く間に経過する。

観終わって、妙にカラダが疲れていることに気付く、
それなりに精神も、体力にも、緊張を強いる映画なのだろう。