改装後の本館には初めて来た。
学生時代は良く通ったものだが、
一体、何十年振りだろう。
学生時代は良く通ったものだが、
一体、何十年振りだろう。
従って、席数は183と小さいし、
床面もフラット、スクリーンの位置もさほど高くはないので、
あまり観易い劇場とは言えない。
床面もフラット、スクリーンの位置もさほど高くはないので、
あまり観易い劇場とは言えない。
が、そんな中、「シネマズデイ」の効果か、
それとも「主演女優賞」の受賞故か、
平日の午後にも係わらず、席は七割がた埋っている。
それとも「主演女優賞」の受賞故か、
平日の午後にも係わらず、席は七割がた埋っている。
一方の主人公『馬込光代(深津絵里)』はロードサイドの紳士服チェーンに勤める。
本人の言葉を借りるなら「小・中・高・社会人と同じ国道(と自分の家)を往復している」。
佐賀県のほんの狭いエリアだけで生活が成立している。
加えて彼女は車を持っていない。
田舎暮らしには車が必須で、今は、一家に一台はおろか、一人に一台の時代。
一部屋のアパートに複数の駐車場が併設されているのが当たり前。
それが無い彼女は、移動の自由さえ、持ち合わせていない。
本人の言葉を借りるなら「小・中・高・社会人と同じ国道(と自分の家)を往復している」。
佐賀県のほんの狭いエリアだけで生活が成立している。
加えて彼女は車を持っていない。
田舎暮らしには車が必須で、今は、一家に一台はおろか、一人に一台の時代。
一部屋のアパートに複数の駐車場が併設されているのが当たり前。
それが無い彼女は、移動の自由さえ、持ち合わせていない。
もう片方の主人公『清水祐一(妻夫木聡)』は土木作業員。
彼女とは違って車を持っているのだが、なまじ人が良いばかりに、
その用途は、近所の老人達の通院の足代わり。
工事現場-病院-食事-風呂と言った、味気ない生活を繰り返す毎日。
長崎の漁師町の「どんづまり」に住んでいる。
彼女とは違って車を持っているのだが、なまじ人が良いばかりに、
その用途は、近所の老人達の通院の足代わり。
工事現場-病院-食事-風呂と言った、味気ない生活を繰り返す毎日。
長崎の漁師町の「どんづまり」に住んでいる。
そんな三人が「出会い系サイト」で繋がり、
悲劇は起きる。
悲劇は起きる。
地元が醸し出す、逃げることのできない閉塞感。
都会への憧憬。
複雑な感情がない交ぜになる。
都会への憧憬。
複雑な感情がない交ぜになる。
『光代』の『祐一』に対する感情も直線的ではない、
実はエゴむき出しの自分本位のものである。
実はエゴむき出しの自分本位のものである。
そして、最後迄観終わって、誰しもが思うのだ。
果たして『祐一』は本当に”悪人”なのか?と。
果たして『祐一』は本当に”悪人”なのか?と。