RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ソルト@TOHOシネマズ六本木 2010年8月14日(土)

お盆の最中に加え、シネマズディということもあり、
席数265の【スクリーン5】は超満員。
浴衣姿がちらほらと散見されるのは、
観終わった後に”東京湾花火”に行こうという算段かな。


1977制作、『ドン・シーゲル』監督の〔Telefon〕という作品がある。
普段は一般のアメリカ市民として暮らしているが、
『フロスト』の詩のある小節を聞くことがKEYとなり、
自爆テロを起こす様に催眠がかけられているロシアのエージェントが多数潜伏している。
ある日電話を取ると、受話器から件の詩が流れる。
それを防ぐ為に、諜報員が送り込まれる。
プロットといい、演出といい、キレの良い佳作だった。

本作は、これと、極めて似た構成になっている。

『イブリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)』は一般企業に勤務していると見せかけて、
実はCIAの優秀なエージェント。
或る日、ロシアからの亡命者『オルロフ』がCIAに現われ、
長年アメリカに潜伏しているスパイが、合衆国副大統領の葬儀のため訪米する、
ロシア大統領を暗殺すると予告する。
そのスパイの名前は『ソルト』。彼女と同名である。

そのことがきっかけとなり、彼女は規定の行動に走り出す。
追われる『ソルト』は果たして二重スパイなのか?

ここでは、『オルロフ』の出現そのものが、
行動を起こすためのKEYとなっているようだ。
それにしても、設定が穴だらけである。
最初のシーン。『オルロフ』がCIAで尋問されている。
最新の設備は、スキャナーで体内の癌を、また脳のセンサーで、
嘘をついているかどうかどうかまで判定する。
ところが、一番肝心な凶器の持ち込みは見逃してしまう。

また目的の為の手段であるはずなのに、
どうしたってそれは達成できないだろう、という行動の数々。
第一、『オルロフ』は、何故『ソルト』の存在をリークする必要があるのか。
そのの必然性が、描かれない。

副大統領の葬儀が挙行されることも含めて、会場となる教会が始めから
決まっていなければで成立しないのは、根本的にダメだろう。


観終わって反芻した時に、「あれっ?」と思うのは、まあ許そう。
しかし、これは、観ている最中から「ええっ!おかしくないか」と強く感じるほど、
構成に難が有る。
しかも、ある程度、彼女の動きが読めてしまう。

全てが規定路線の様に動いて行くが、順序を考えても、どうも変だと
その場で思わせては、脚本として落第。


アンジェリーナ・ジョリー』は〔チェンジリング〕の時とは打って変わって、
激しいアクションの連続。

頭を空っぽにして、目まぐるしい画面の変化に身を委ねるのであれば、
何の問題も無い一作。

イメージ 1