RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ちょんまげぷりん@チネチッタ川崎 2010年8月1日(日)

席数284と、かなりの大箱ながら【CINE5】は、
九割以上の入り。
封切り二日目に加え、ジャニーズ系、ストーリーと
何拍子も揃った成果と見た。

客層は、女子の団体が、やや多目。


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江戸時代の侍が、突然現代にタイムスリップして来る。
そのカルチャーギャップの描写の仕方が妙味だし、
同じモチーフの作品は多々ある(勿論、逆も)。

多くは、次第に時代に染まり、その楽しさが無くなっていくのだが、
本作は若干、装いを異にしているようだ。
彼は、最後まで、その魂を動じさせはしない。


母子家庭で、日々の暮らし(糊塗ではない)に汲々としている、
『遊佐ひろ子(ともさかりえ)』の前に、
突然、江戸時代からタイムスリップしてきた直参旗本の『木島安兵衛(錦戸亮)』が現われる。
景色の変化に驚き、行く当ての無い彼は『ひろ子』の家に転がり込む。
一宿一飯の恩義に家事をしだした彼は、以外な才能、
特にデザート造りに天才的とも言える腕を発揮する。

彼の作るケーキを食べた『ひろ子』のママ友が、
面白半分にケーキコンテストに応募したことから
ストーリーは動き出す。

『安兵衛』の出現から、宿泊させるまでの経緯は、
速やかに進行し、しかも不自然さが無い。
至極普通の成り行きに描写され、
違和感を感じさせる間もない。
ここいら辺は、監督の面目躍如だろう。

また、本当は、それ程演技派ではないであろう『錦戸亮』は、
却って武士の無骨さが増幅されて、好印象。

家庭環境や職場環境、男女の役割分担といった
現代を象徴する事柄も効果的に取り込まれ、
『安兵衛』の文明に対する反応も、
ある種ご都合主義でありながら、
笑ってやり過ごせるくらいに、
観ている側も、ココロが満ちてくる。

今年一番の、ハートウォーミングストーリー。
笑わせて、泣かせる、そのツボに嵌まっている。