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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

シュアリー・サムデイ@チネチッタ川崎 2010年8月1日(日)

席数107の【CINE1】は、
最前席を除いてほぼ満員の入り。

監督、出演者を含めYA系が多いので、
主来場者も、それを好む層、
と言うことになる。


イメージ 1
しかし、本業でない監督の、しかも、お初、と言うことで
かなり侮っていたのだが(例えば、これ、とか)、
いや、どうしてどうして、まずまずの出来なのである。
ただそれは、原作と脚本の質が良いことに尽きるようだ。

『小栗』監督の演出は、動きすぎるカメラを含めて、
今だしの感が強い。
特にラストのシーンは、〔愛のメモリー〕かと思いましたよ。
左程のように、過去の記憶がコラージュされているが、
それはこなれていない。


一旦中止が決まった高校の学園祭を復活させるため、
お馬鹿五人組は時限爆弾をセットして、
バリケードで封鎖した教室に立て篭もる。
しかし、本当は爆破させるつもりなど微塵も無い、
ただのブラフであったにも拘わらず、
手違いで大爆発が起きた結果、
彼らは高校を中退になり、迷惑は家族にも及ぶ。
色々な意味で、三年経った今でも、
彼らの時間は止まったままになっている。

ひょんなことから、
久々に友人に邂逅したのは良かったものの、
それは命を掛けた事件と関わる前触れだった。


典型的な「巻き込まれ型」なのだが、
独特の疾走感は見事である。
過去の記憶を上手く挟み込みながら、
それが謎解きの端緒になるのだが、
常に予想を裏切る展開は、
最後まで飽きさせることが無い。

「バカで最強だった俺たちを取り戻す!!!」と言いながら、
結局はラストまで”最強”では無い自分達が何時も在る、
どう仕様も無い閉塞感。

躍動するカラダとは別に、行き場の無い虚無感の描写は、
痛いほど伝わって来る。
それは、監督の同時代的なココロの痛みでもあるのだろう。

何れにしろ、今後に期待できそうなのは間違い無い。