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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

紅心 小堀宗慶展@目黒区美術館 2010年7月4日(日)

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一般の入場料は千円だが、350円で購入済み。
売価からして、たいした混雑ではないだろうと踏んでいたら、
場内の入りはかなりのもの。
成る程、「お茶」関連は、まま、こういったことがある。
弟子の弟子の弟子の弟子といった係累の人達が、
数多足を運ぶのだな。

展示品の半数以上は本人の作。
さらっと流して通る。


ここには〔馬蝗絆〕を観に来たのだから。
青磁の茶碗其の物もさることながら、
我々を魅了するのは、背景にあるストーリー。
その元となった『伊藤東涯』の〔馬蝗絆茶甌記〕もあわせて展示されている。

美しく澄んだ淡い青は緑との丁度中間、本当に薄い造りで、
花びらを連想させる。
観ていると吸い込まれそうだ。
溜息が「ほうっ」と出る。

しゃがんで下から見上げれば、銘の由来となった鎹が、
黒細長く椀の脇に取り付いている。
しかし、この薄い磁器に、これを打ち込むことも
相当の技量だろう。

多くの人は本作をするっと通り過ぎて行くようだ。
勿体無いぞ。このためだけに来る価値はある。