RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

シーサイドモーテル@TOHOシネマズ川崎 2010年6月6日(日)

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150席の【SCREEN4】は、最前の二列を残し、ほぼ満席。
かなりの入り。


山の中にあるのに、何故か「シーサイド」と言う名のモーテルは、
節約のために夜になると断水する、とことん水とは縁遠い小さな宿。
その4つの部屋で繰り広げられる、僅か一晩のショートストーリー。

「グランドホテル」形式に「コンゲーム」の要素を盛り込んだ、
かなり良く出来た作品。
先に述べた設定が上手く活かされている。

宿泊している男女の行動が微妙に絡まりあい、
影響を与えて、思わぬ方向に話しは転がっていく。

登場人物は基本的に相手を騙しているのだが、
その境が判然とせず、観ているこちら側まで疑心暗鬼にとらわれてしまう。

虚と実、想定内と外。練り上げられた脚本は、
笑いや悲しみや、時としてほろ苦さを感じさせながら、
ゆったりとした速度で進行し、
語り口もまずまず。

しみじみとした余韻と再生を期待させるエンディングも、
多くの人が不幸になる中、
仄かな救済として機能している。

さほどの期待感は無く行ったのだが、
思わぬ儲けモノ。
特に、ハスッパな中に可愛さが滲む『麻生久美子』と、
例によって眉を顰めている『成海璃子』は
共に上々の役どころである。