美術ファンの底辺が広がっているとか、
美術鑑賞がブームであるとの論説がある。
マヤカシだと思う。
そのような論調が掲載されているのは、
決まって主催や協賛企業の評論。
美術鑑賞がブームであるとの論説がある。
マヤカシだと思う。
そのような論調が掲載されているのは、
決まって主催や協賛企業の評論。
ちょっとしたハレの場を求めたり、
「混んでいるから」「話題だから」と言う理由だけで、
一過性のブームには人口の拡大は期待できないのでは、と。
「混んでいるから」「話題だから」と言う理由だけで、
一過性のブームには人口の拡大は期待できないのでは、と。
無料の本展でも、一般の入場者よりも、同業者の方が多いくらい。
勿論、大々的な告知をしていないことも背景にはあるだろうけど、
本当の美術ファンなら、検索してでも来るだろう。
ましてや、今を代表する作家の作品が百五十点近く展示してある。
もっとも、混雑過ぎるのは嬉しくないから、その辺気分は裏腹だな。
花鳥や風景画が多いながら、やはり好きなのは人物画。
新しい収穫は『前田さつき』の〔予兆〕。
淫靡で妖しい世界を、ペンと色鉛筆だけで表現している。
淫靡で妖しい世界を、ペンと色鉛筆だけで表現している。
笑ってしまったのは、『石黒賢一郎』の〔QH-ED04「ふたりでみあげた星」〕。
絵の右隅に貼ってある、小さいシールを見て思わず納得。
アニメ〔キューテイーハニー〕第四話の1シーンをモチーフに、
容姿の異なるモデルを使い、まんま再現している。
絵の右隅に貼ってある、小さいシールを見て思わず納得。
アニメ〔キューテイーハニー〕第四話の1シーンをモチーフに、
容姿の異なるモデルを使い、まんま再現している。
人物画の驚愕は『島村信之』の〔眺め〕。
その詳細描写の度合いは、並外れている。
写真かと見紛うばかり。
が、女性の顔立ちは、せいぜい三十代のそれであるにも関わらず、
指だけが、妙に年代を感じさせる描写になってアンバランス。
その詳細描写の度合いは、並外れている。
写真かと見紛うばかり。
が、女性の顔立ちは、せいぜい三十代のそれであるにも関わらず、
指だけが、妙に年代を感じさせる描写になってアンバランス。
まだまだ良作は数知れず。