RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

インビクタス/負けざる者たち@109シネマズ川崎 2010年2月19日(金)

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19日の「ポイント会員感謝の日」の日を利用して、千円で鑑賞。
おまけに「エグゼクティブシート」も利用可の特典付き。
何とも、嬉しい限り。

【シアター5】の席数は121だが、前述の理由か、
映画の人気によるものか、中段以降の席はほぼ埋って、五割がたの入り。
平日の昼なのに、中々のものだ。


整備された芝生の上で、白人が富者のスポーツである
ラグビーをプレイするその向いで、
黒人の子供達は、石ころだらけの空き地で、
貧者のスポーツ、サッカーに興じる。
南アフリカでのラグビーは、格差の象徴となっている。
それをオープニングのショットでさらりと見せてしまう手腕は、
相変わらず見事。

1990年に30年近い収監から開放された『ネルソン・マンデラ』は
1994年に民主選挙で大統領に就任する。
彼が球場を訪れると、黒人は歓喜で応え、白人はブーイングを浴びせる。

アパルトヘイトの象徴である『スプリングボクス』は
一人の黒人はいるものの、
それ以外は全て白人のラグビーナショナルチーム
白人は応援するが、
黒人の観客は他国チームの得点に歓声をあげる。

マンデラ』は弱小な『スプリングボクス』を利用し、
民族の融和を促進しようとする。
折りしも、1995年はラグビーのワールドカップが、
南アフリカで開催される年でもある。


最初に黒人と白人の葛藤を見せ、類稀な指導者によって、
次第に過去の拘りが融解していく様が描かれる。

物語の芯になるラグビーのシーンにかなりの時間を割き、
スローモーションを多用しながら、
比較的判り辛いラグビーの判定が気にならないよう、
上手くシーンを繋げ、感動的な場面を作り出している。

マンデラ』を演じる『モーガン・フリーマン 』も、
自分が入れ込んだ脚本ということもあり、
茫洋とした感じを出して好演。


が、『イーストウッド』作品といえば、
「闘う」ことでの「復活」が基本。
しかし、その「復活」は、ほろ苦さを伴うものだったはず。

此処では、手放しでの喜びと礼賛。
何時もの彼らしくなく、何と無く物足りない。