RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

講談社野間記念館の名品展 2009年12月5日(土)

以前、新宿西口の金券ショップ通りを渉猟していた時に、
180円で売られているのを見つけ、購入した置いた。
一般の入場料は500円。


展示内容は大きく三つに別けられる。
「野間コレクション」~これは日本画の名品群。
「出版文化資料」~『講談社』が出版している雑誌の表紙として描かれた原画。
村上豊」~本人から寄贈された、一連の作品群。

まずは『山川秀峰』の〔蛍〕。四曲一双の屏風にいっぱいに、ほぼ等身大の美人が三人。
涼しげな着物の袖を押さえ、団扇で蛍を追っている。
柔らかで、でも、きりっとした立ち姿。
美しい顔立ちは、皆、どこと無く似ている。
着物も団扇を、夫々が意匠を凝らしている。
離れて観ても良し、近寄って観ても、亦良し。

速水御舟』の〔梅花馥郁〕は二幅対。
左に白梅。毅然と直立し、すっきりと上がっている。
右に紅梅。こちらの枝は曲がりくねって軟らかそうだ。
柳腰とでも言うのか。男女の比較にもみえる。
小品だが、梅の香りが漂って来そうだ。

小磯良平』の作品は『少女倶楽部』の表紙を飾った油絵の原画5点。
真ん中が折れていたり、天地の余白に書き込みがあったりと、
全ての保存状態が良いわけではない。
でも、〔マフラー〕や〔海辺〕といったタイトルで、さらっと描かれた少女達は、
当時の同世代からは憬れの眼で見られたのだろう。
明るく、上品で、愛らしい。

小品も含めれば百二十近い展示。
場所的な問題もあり、週末の昼下がりでもさして混雑することは無い。
作品との距離も短く、鑑賞し易いのも有り難い。