RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

カムイ外伝@TOHOシネマズ川崎 2009年10月4日(日)

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岡田斗司夫』が本書の中で、図らずも、”一番やってはいけないこと”と、
喝破している背景ではあるが、
原作アニメをリアルタイムで見た人間にとっては〔サスケ〕とともに、
何とも魅力的な主人公ではあった。

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前述の通り、ノスタルジックなタイトルと、
(監督は兎も角)脚本の『クドカン』に惹かれて行ったわけだ。
【SCREEN 1】の席数は142。当日は四割程度の入り。


『カムイ(松山ケンイチ)』は、ある目的から領主の愛馬の前足を切り取った
漁師の『半兵衛(小林薫)』を助ける。
時化る海に落ちた『カムイ』は『半兵衛』の住む島に流れ着くが、
そこにはかっての”抜け忍”『スガル(小雪)』が、彼の妻として
子を生していた。
『カムイ』を追い忍と猜疑する『スガル』。時を同じくして、領主と伊賀からの
追ってが絡む。

登場人物の造形は魅力的。
少々鼻に付く”ワイヤーアクション”を除けば、殺陣も斬新。
何よりも”変移抜刀霞斬り”や”飯綱落し”が実写で再現されるのが嬉しい。

一方、
アニメの(勿論、漫画もそうだが)〔カムイ外伝〕の白眉は、
『カムイ』が流れて行くところにある。
が、本作はそのうちの一つのエピソードのみ(『カムイ外伝 第二部』の「スガルの島」 )を
取り上げているためか、広がりに欠ける。
小さく小ぢんまりと、纏まってしまっている。
狭い島の中での出来事に収斂(しかも、周りは海だし)してしまっていることが、
至極残念。

確かに、これだけエピソードを二時間に押し込めるのは力技。
なので、唐突に感じられる、登場人物の行動もある。
プロローグを除けば、『カムイ』のロードを
これ以上描くのは無理があるだろう。
ノスタルジーが可視化される喜ばしさに相反して、
何とも隔靴掻痒な印象を受けてしまう。

船を漕いだり、海に潜る『カムイ』に比して、
森の中を跳梁する『カムイ』は、躍動感に満ちていた。