RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

南極料理人@TOHOシネマズ 川崎 2009年9月6日(日)

教訓:お腹が空いた状態で行ってはイケナイ。

イメージ 1
【SCREEN4】はキャパ152席と小さいながらも、
九割方埋まっている。
公開一ヶ月経つのに、大層な入りである。


昭和基地】よりも更に内陸に千キロ以上入った【富士ドーム基地】は、
ペンギンやアザラシはおろかウイルスさえ生息できない
平均気温が氷点下-55°という極寒の地。
ここで一年強を越冬観測する、八人の男達の日常を描いた作品。

日々の些細な娯楽や隊員間の諍い、任務の様子は兎も角、
彼らの毎日の楽しみは”食べる”こと。
実際一人当たり、一tの食材が、同期間に消費されると言う。

この基地にワケ有りで赴任した調理担当の『西村淳(堺雅人)』は、
我侭なリクエストにも、真摯な態度で向い合う。


いや、笑わせてもらいました。
ただ、料理を作って食べるだけの映画が、何でこんなに面白くなるの?

前任の越冬隊が残していった伊勢海老を”海老フライ”にして食べる。
この顛末だけで、こんなに楽しませてくれるなんて・・・・。

他の娯楽があまりにもさもしいため、勢い感心は”食”に向かう。
そんな男達の執着を、監督は上手に”調理”している。


しかし、出てくる料理がどれもこれも美味しそう。
いかにも失敗作で、見た目が脂ぎった駄目ダメ料理でも、ひょっとしたら
旨いんでないの?と思わせる魅力が一品一品にある。

そして、泣かせる。
これ見よがしではなく、笑い泣きしてしまう脚本の妙。

何時の間にか、九人目の隊員として、
岡目で同時体験しているように感じさせるカメラワークも見事。