RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

Stitch by Stitch 針と糸で描くわたくし@東京都庭園美術館 2009年8月8日(土)

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表現手法として針と糸を選択した作家達の展覧会。

展覧会情報には、詳しいプロフィールも
掲載されている。
展示されているのは、プロジェクトも含め、八人の作品。

入場料は、一般1,000円だが、”ぐるっとパス”を利用。
【JRの目黒】、【地下鉄の白金台】の丁度中間だが、行きは
白金台からの方が、ず~っと下りで楽チン。

清川あさみ』の〔Complex〕シリーズ。
女性のコンプレックスを表現したという四連の作品。
何れも、大判のヌード写真をプリントしたものに
直に刺繍を施している。
「肌」「声」「髪」「心」のタイトルは、各々が女性のコンプレックスを
表している。
作品毎に異なる刺繍の手法は、
「肌」身体一面が細かいアイテムで覆い尽くされ、鱗を纏っているよう。
「声」自分の発した声が縄となって、自縛されているよう。目尻には涙ともとれる煌き。
「髪」伸びた髪が蜘蛛の巣のように広がっている。虫・蟲が誘き寄せられるように集まっている。
「心」歪に融けたハートが(さながら『ダリ』が描く”時計”の様に)カラダに纏わり付いている。
肝心な場所が刺繍で覆われている憾みはさておき、妖しくも悲しい表現が展開されている。

『秋山さやか』の一連の作品は、地図をプリントした紙や布に、
自分が歩いたルートを刺繍で残している。
それも様々なアイテムを同時に織り込むことで、その時の記憶がより鮮明なものになっている。
今回も美術館の近く(目黒界隈)に滞在し、散歩した軌跡をそのまま作品としている。
これが楽しい。
一緒に縫いつけられているのは、値札シールや割引券、拾って来た落ち葉、等々。
彼女が、その時に体験したことを我々も追って感じることができる。
製作をした一室が館内に再現されているのだが、さながら玩具箱をひっくり返したみたいだ。


使用されている部屋はさほど多くは無いが、普段では公開されていないバスルームも、
(展示作品の性格上)ドアが開けられているのは儲けモノ。