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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選― 2009年7月5日(日)

先の”高橋コレクション”が個人のものであるなら、
こちらはある意味、お国のコレクション。

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入場料は500円だが、ここは”ぐるっとパス”を利用。
ホント、使いでがあるよなあ。

展示は二室に分かれていて、1室は日本画が中心、
2室は洋画となっている。
展示数は優に百を超える。内容も含めて、立派に一つの展示会として成立する。

内容も充実。

日本画では、
狩野芳崖』の〔悲母観音〕
上村松園』の〔序の舞〕
或いは、『鏑木清方』の〔一葉〕。
貧しい身なりで内職に勤しむ一葉がふと手を止めた瞬間。
凛とした美しさの表現が見事だ。
独特の緑の描写が鮮やかな、『松岡映丘』の〔伊香保の沼〕

が、何と言っても
伊藤若冲』の〔鯉図〕。
鰭の具合、水草の靡き方。鯉の顔のユーモラスさ、吐く泡の描写も含め、
も~若冲


洋画では
黒田清輝』の〔婦人像(厨房)〕
高橋由一』の〔鮭〕。
縦・横ともに大きい絵だ。
しかも脂がのって、なんとも旨そうな身だ。
『山本芳翆』の〔西洋婦人像〕。
さらっと描いた感覚だが、輝くような一瞬の横顔を捉えて美しい。
そして『フジタ』の〔自画像〕と〔婦人像〕の二点。
何れも、卒業間近の製作ということで、後の彼の作風は微塵も無い。
でも、何と無くそれも好ましい。

詳細はここで
入門編(美術の教科書に載っている作品が多く観られるしな)として、
激しくオススメ。