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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

山水に遊ぶ-江戸絵画の風景250年@府中市美術館 2009年5月2日(土)

府中市美術館】は京王線東府中駅下車徒歩15分。
府中の森公園】の武蔵小金井寄りにある。
公園の中を通っていくので、良い空気を吸いながらの丁度良い散策になる。
各駅からバスも出ているようだ。

当日は中央競馬の開催日だったので、電車の混雑を心配したが、
普段は無いのに、この日だけは臨時停車する上下線が多くあり、
逆に助かった。

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入場料は600円。
ホームページ上にも、チラシにも書いてあるが、かなりの数の展示替えがあるようで、
行く時は注意が必要だ。

展示数は六十点強。展示予定表に加え、(展示されている作品の)画家解説も配布されており、
非常に好印象。

中はたいした混雑ではなく、ゆったりと鑑賞できる。
ただ人数が少ないだけに、携帯で話す人とか、(家族連れで来て)これみよがし解説するオヤジとか、
音声ガイドのボリュームが大きくて音漏れが激しいオヤジとかが、逆に目立つんだよね。

展示されている作品は、江戸期のものが主で、水墨にこだわらず、彩色も多くあった。
また、タイトルとは少々離れるが、『応挙』の〔海上竜巻図〕等も展示されており、
『応挙』好きとしては嬉しかった。
当然それ以外にも『蕪村』『其一』『江漢』『文晁』『蕭白』『大雅』といった大所は
押さえられており、何とも贅沢なラインナップ。

また、『北斎』の〔萩の玉川図〕〔不二図〕といった、毛色の異なる作品を見比べられる
楽しみもある。

特に多く展示されていたのは『司馬江漢』。
西洋画に近いものから、純日本画、またその折衷、
日本画の中に完全に洋画を取り込んだものまで多彩である。
画家の工夫の歴史が良く判って、これは良い。

曾我蕭白』も複数展示されており、同じ山水でもタッチがかなり違うことを
見比べるのも面白い。

大名品揃いではないけれど、かなり満足感の高い展示会であった。


また、前回の【川崎市民ミュージアム】もそうだったけど、常設展の充実がすごい。
・小特集 司馬江漢
・明治から昭和の洋画
・牛島憲之記念館 前半期の名作
と、三企画が行われていた。

『江漢』では〔花鳥草虫図〕の詳細な描写に釘付け。
”明治・・・・”では『黒田清輝』の〔裸婦習作〕にうっとりし、
『村山槐多』の力強い表現に驚愕した。

常設展も含め、この金額はお値打ち。
都心からの交通は多少時間がかかるど、
近隣に住んでいる人は幸せだなぁ。