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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

くらやみの速さはどれくらい:エリザベス・ムーン~読了

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帯にある
〈世界が感動した 21世紀版『アルジャーノンに花束を』〉
に惹かれて購入した。”ネビュラ賞”も受賞している。
新聞の書評も好意的。
ちなみに、〔アルジャーノン〕は”ヒューゴー””ネビュラ”の両賞を受賞。

また、翻訳者も同じ『小尾芙佐』。
〔アルジャーノン〕は知能が上がる毎に変化していく文体が見事だった。
本作も、視点(語り手)が変わることで、ある変化が起きる仕掛けがあるが、
それに気付くかどうか?


閑話休題
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アルジャーノンに花束を〕は全くもって傑作だった。発想の妙、
驚きの展開、そして泣けるラストと、三拍子揃っていた。

その後、『ダニエル・キイス』の作品は殆んど読んだが、
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ま、当然のように、超えられないわけで。


自閉症(これが自閉症の症状?と違和感あるが)の『ルウ』は、
その特殊な能力のおかげで、健常者に近い生活~一流企業に勤め、
車の免許を持ち、アパートで一人で暮らし、フェンシングのサークルにも
参加している~を、おくっている。

そんな彼に、画期的な治療方法が開発されたことが知らされ、
会社はその実験台になることを強要する。そして・・・・。

実験台にならないと〔アルジャーノン〕と同じ展開にはならないわけだから、
当然のことながら、彼は治験に参加する。
ただ、この小説のキモは寧ろその前にある。
(ここで設定されている)自閉症者と健常者の感性の差の描き方が妙味。

惹句にあるような”感動作”かと聞かれれば、自分の答えは”否”。
少なくとも泣けはしない。
でも先に挙げた理由で、作品自体は十分に堪能できたけどね。